How to care of wool shirt

How to care of wool shirt

ウール素材のシャツの正しいケア方法

裏地のないウールのシャツは、比較的自宅でお手入れがしやすいアイテムです。ブラッシングとスチーマーをベースに、部分洗い、汗の染み込みなどが気になる場合は、たまに水洗いをしましょう。

 

ただしウールの布帛(織物)は、濡れた状態、温度が高い状態、摩擦や圧力が加わる状態で、フェルト化が進むため、水を使うときには注意が必要です。

 

かつてのヨーロッパには、ドライクリーニングの技術などはもちろんなく、ウールの洋服は最低限の水洗いのみで形を整えていました。現代において、どんなにきれいな洗い方をしても、洗濯は洋服の劣化の原因。ウールは天然の抗菌作用があるため、洋服を長くきれいに着るためにも、環境のためにも「必要以上に洗いすぎないこと」を心がけましょう。

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Item 準備するもの

染み抜き剤

THE LAUNDRESSのステインソリューションは、紅茶やワインなどの頑固なシミにも効果的です。

 

おしゃれ着用洗剤

LIVRE YOKOHAMAのシルク&ウール デリケート繊維用洗剤は、香りの良さも魅力です。

 

洋服ブラシ

手入れ道具からこだわるなら、繊細なベビーカシミヤにまで使える石川ブラシがおすすめです。

 

アイロン

スチームの蒸気が均等に出て、アイロン本体の重さも使ってシワを伸ばせるものがよいでしょう。アイロン台は、なるべくフラットなもので。

 

あて布

あて布を使うことで、アイロンのプレスで繊維が潰れるのを防ぐことができます。

 

タオル(または布)

繊維が抜けにくく、洗剤で浮いた汚れや水分を十分に吸収できるものがよいでしょう。

 

スチーマー

スチームの量が多くて、シミの原因になる水滴が落ちてこないものを選びましょう。

 

超音波ウォッシャー

袖やカフスの汚れには、SHARPの超音波ウォッシャーを利用すると、素早く劇的に落とすことができます。

 

洗濯ブラシ

洋服を擦るのではなく、たたいて汚れを落としてくため、ブラシ自体に重さがあるものを選びます。

 

洗濯桶

シャツを畳んだ状態でしっかりおさまり、少し深さのあるものがよいでしょう。

Tips1 洋服を目視

洋服全体を俯瞰して、どこが汚れているのかを把握。ケアする部分を決めていきます。主な目視ポイントは「汚れ」「食べこぼし」「傷」。襟元やポケットまわり、裾や袖の裏側まで念入りにチェックしましょう。

 

ニットに比べて、布帛は繊維の方向が揃っていて撚りが強いため、毛羽が出にくく毛玉になりにくいのも特徴。この点からもウールのシャツは、自宅でお手入れがしやすいアイテムと言えます。

Tips2 日々のお手入れはブラッシング&スチーマー

日々のお手入れはブラッシング&スチーマーで行います。洋服の寿命を縮める原因は、袖を通すことよりも洗濯をすること。水洗いの回数を減らすことで、風合いや肌ざわりも長持ちします。

 

着用後はハンガーにかけて、襟から肩、腕、洋服全体まで、手首のスナップをきかせながら、ほこりをかきだします。シワや臭いなどが気になる場合は、たっぷりスチーマーをあてて、通気性がよい場所で乾かしましょう。

Tips3 襟とカフスは洗濯用ブラシで部分洗い

襟とカフスなどの部分汚れを落とします。中性の液体洗剤と水を1:1でスプレーボトルに入れて、汚れている部分にかけます。汚れ移り防止のため、生地の下にはタオルをあてましょう。

 

汚れと洗剤を溶かした水が馴染んだら、少し大きめの洗濯用ブラシで、上からたたきます。ゴシゴシと擦るのはフェルト化の原因になるのでNG。そのまま日陰で30分程おきます。また、この部分汚れを落とすときに1本持っておくと便利なのが「超音波ウォッシャー」。超音波の振動によって、汚れを劇的に手早く落とすことができます。部分洗いが終わったら洋服全体を洗いましょう。

Tips4 繊維にまで水が浸透するよう、ゆっくり押し洗い

シーズン終わりなどのスペシャルなケアには、手洗いをしましょう。

 

まず洗濯桶か洗面台に、ぬるま湯(約5L)をはり、中性洗剤(約5ml)を入れたらしっかり攪拌します。表面がうっすら泡立つくらいが、まんべんなく混ざった合図です。

 

ここに部分洗いをしておいたシャツをつけて、5分間ほどゆっくりとやさしく押し洗いします。洗濯液を浸透させるために、繊維の中に水流を作るようなイメージで。隅々まで行き渡らせます。シャツを引き上げたら絞らずに、そのまま洗濯機に入れて、約1分間脱水します。

 

ここからは濯ぎです。桶のぬるま湯をはり替えて、押し洗いをしながら洗濯液を落としていきます。一度目は、洗剤を入れた時と同じ位の水温で。そして、次は常温の水で二度すすぎます。これを2セット繰り返して、その度毎に、約1分間脱水します。

Tips5 直射日光を避けて室内干し

洗い終わったら、シャツを広げて伸ばします。シワが大きく入っている部分は、手でたたきながら形を整えます。

 

布帛はニットとは異なり伸びにくいため、物干し竿かハンガーにかけても問題はありません。ポイントは直射日光を避けて、空気が対流している室内で乾かすこと。ウールが本来持っている湿度以下まで急激に乾燥させてしまうと風合いが変わってしまったり、染料が入っている繊維は、紫外線が褪色の原因になったりします。

 

直射日光で乾かしたタオルが、パリパリになるのはこの現象が起きているため。ウールのシャツは、扇風機やサーキュレーター、エアコンの近くに置いて、洋服のまわりを漂う高い湿度を意識的に流してあげることが大切です。

Tips6 アイロンのドライとスチームで最後の仕上げ

ウールのシャツのシワは、大抵のものがスチーマーで消えますが、特に強いもの、襟の形を整えたいときには、アイロンがおすすめです。

 

まずはスチームでシワや襟を整えたら、洋服を動かさずにドライに切り替えてアイロンをかけていきます。こうすることで、繊維の中にたまった水蒸気が飛び、シャキっと感が増します。アイロンをかけるときは、生地のテカリや痛み防止のために、あて布を使いましょう。

 

アイロンの温度設定は、中温(150℃以下)に設定します。

Q&A 洗濯頻度はどれくらいがいいの?

ウールのシャツは、コートやパンツのように裏地がないため、基本的に洗濯をする必要はありません。水洗いをするならシーズンに1回程度に留めましょう。ただし、襟やカフスは汚れやすいため、部分的なケアが必要です。

 

ウールシャツの消臭力や吸透湿性の凄さは、アウトドアブランドが続々とウール素材のインナーを発表していることでも実証済み。シャワーも浴びられない環境で何日間も過ごしても臭くならずに快適に過ごせます。着用後は何日か洋服を休ませてあげるのも、長くきれいに着続けるためのポイントです。