How to care of wool pants

How to care of wool pants

ウール素材のパンツの正しいケア方法

ウールには、もともと抗菌作用があり、臭いや汚れが付きにくいという特性があります。繊維の表面は、スケールと呼ばれるウロコ状になっており、疎水性や水を弾く性質があります。さらに内部は親水性があるため、身体から出る水蒸気を吸って放出してくれます。

 

吸透湿性はコットンよりも高く、コイルのように縮れたクリンプ状の繊維がたっぷりと空気を含むため、保温性にも優れています。ウールは、科学的には作り出せない天然の高機能素材なのです。

 

これらの点からも、ウールパンツの日々のお手入れは、自宅でのブラッシングとスチーマーだけで十分といえます。汚れが気になる部分は、ピンポイントでケアしましょう。一方で、スタイリングやパンツの印象を大きく左右するクリースラインは、消えないようにこまめなアイロンがけが大切です。

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Item 準備するもの

染み抜き剤

THE LAUNDRESSのステインソリューションは、紅茶やワインなどの頑固なシミにも効果的です。

 

おしゃれ着用洗剤

LIVRE YOKOHAMAのシルク&ウール デリケート繊維用洗剤は、香りの良さも魅力です。

 

洋服ブラシ

手入れ道具からこだわるなら、長い毛足でしっかりブラシがけ出来るブラシの平野や、繊細なベビーカシミヤにまで使えるイシカワのブラシがおすすめです。

 

アイロン

スチームの蒸気が均等に出て、アイロン本体の重さも使ってシワを伸ばせるものがよいでしょう。アイロン台は、なるべくフラットなもので。

 

タオル(または布)

繊維が抜けにくく、洗剤で浮いた汚れや水分を十分に吸収できるものがよいでしょう。

 

スチーマー

スチームの量が多くて、シミの原因になる水滴が落ちてこないものを選びましょう。

 

クリップハンガー

重さのあるパンツを挟んでも落ちないように、ハンガーは金属製で、クリップの先がゴムになっているものがおすすめです。

 

あて布

あて布を使うことで、アイロンのプレスで繊維が潰れるのを防ぐことができます。Rayenのコットン100%のあて布は、適度な透け感があり、洋服の位置を確認しながら作業ができるので便利です。

Tips1 洋服を目視

洋服全体を俯瞰して、どこが汚れているのかを把握。ケアする部分を決めていきます。主な目視ポイントは「汚れ」「食べこぼし」「傷」。ウエストやポケットまわり、裏地まで念入りにチェックしましょう。

 

パンツで最も気になる汗汚れは水溶性のため、ほぼ水だけで落とすことが可能。濡れたタオル(または布)を使った、たたき洗いとスチーマーでケアしていきます。

 

食べこぼしや皮脂汚れなどしつこい汚れは、「おしゃれ着用洗剤」や「染み抜き剤」を使って洗います。

 

パンツは裏地にキュプラやコットンなどを使ったものもありますが、この部分の汚れが気になる場合も、なるべくならスチーマーだけでケアするのが理想です。

Tips2 ブラッシングでほこりを払う

パンツをクリップハンガーで挟んで、全体のほこりを払います。ブラッシングの順番は上から下に、ウエストまわりは念入りに。ベルトループやフロントボタン、ポケットなどの出っ張りが多い部分は、洋服の糸くずやほこりがつきやすいので、しっかりと汚れをかき出します。大きなゴミは、指でつまんで取ってあげましょう。

 

忘れがちなのは、ポケットの袋まで表に出してあげること。パンツの裾がダブルの場合は、内側にもほこりがたまりやすいので、裏返してゴミを取り除きます。

 

ウールの繊維が乱れていると、ほこりが付着しやすくなり、毛玉の原因となります。ブラッシングでほこりをかき出したり、毛並を整えたりすることは、素材本来の風合いや光沢の向上に加えて、毛玉の防止にもなります。

Tips3 スチームはクリップハンガーに掛けて

裾の内側をクリップハンガーで挟み、逆さにした状態でスチーマーをかけます。ウエストまわりの重さも利用し、指で軽く引っ張りながらスチーマーを上下すると、シワが伸びやすくなります。

 

座りジワがつきやすいひざ裏、内股部分は念入りに、パンツ全体にスチーマーをあてます。特にパターンが複雑なパンツの内股部分は、アイロンよりもスチーマーが便利です。

 

パンツは、コートやシャツよりも、直接肌に触れる面積が大きいため、裏地も同時にケアすることがおすすめです。高温の蒸気を当てて、臭いや菌の繁殖を抑えましょう。

Tips4 クリースが消える前にアイロンがけを

クリースラインを際立たせるために、アイロンをかけます。足を組んで座ることが、クリースが消える大きな原因。着用後はこまめにアイロンをかけるか、クリーニング店でウール製品に折り目を形成記憶させる「シロセット加工」をシーズンのはじめにお願いするのもよいでしょう。

 

パンツはパターン上、裾からひざ下までは簡単にクリースを合わせることができますが、ひざ上からは内股の余った生地をつまみながらアイロンをかける必要があります。アイロンを強く押しあてたり、何度も生地の上を滑らせたりするのは、テカリや痛みの原因になるのでNG。あて布を使い、生地に対してなるべく垂直にアイロンを押しあてます。

 

また一度穿いたら2~3日休ませるといったローテーションを組むことも、長持ちさせるポイントです。

Tips5 裾を上にしてクリップハンガーで保管

裾を上にして、クリップハンガーで留めます。パンツを穿くときにクリップの跡が目立たないように、内側だけを挟みます。保管中にパンツがしっかり引っ張られるように、ベルトループにベルトを通して、重し代わりにするのもおすすめです。

 

起毛素材の場合もう一度ブラッシングをしましょう。パンツの内側から外側まで、上から下に向かって毛並を整えたら完了です。保管する際は、できる限りハンガー同士の隙間を開けて、シワの防止と通気性を確保しましょう。

Q&A クローゼットに畳みで保管するときの方法は?

なるべく折り目をつけないように、クリースをしっかりと揃えて、二つ折りで保管します。スペース的に難しい場合も、三つ折りまでに。上に衣類を積み重ね過ぎないように注意しましょう。畳みで保管する場合は、穿く前にスチーマーで軽くシワを伸ばします。このひと手間を考えると、パンツ用のクリップハンガーで保管するのもよいでしょう。