Sustainability

ファッションにおけるサステナビリティで、私たちが最も大切にしていること。それは、何十年先まで「長く着られる洋服」を、社会的責任とファッション性のバランスをもって追求し続けることです。

最適なコンディションを維持し、袖を通したときの満足感や高揚感を感じていただくためには、原料からこだわり抜いた最上級の素材と日本のモノづくりが必要不可欠です。さらに、飽きることなく長く着ていただくために、一過性のトレンドを追うのではなく、ベーシックを軸にしたロングライフなウエアを提案します。

私たちの洋服づくりは、これらの信念を持ち、まずは世界中を旅して、環境や人にとって理想的な原料を追い求めることからスタートします。厳しいオーガニック認証を取得した素材のみならず、原料産地へ可能な限り直接足を運ぶことで、繊維作物や生き物を育てる人の顔まで見える、クリーンな製品開発に取り組んでいます。

オーガニックコットン

世界で栽培される高級コットンの産地は、どれも新大陸に由来し、その源流はすべてペルーにあるとされます。古くは奴隷制度などの人権問題、第二次世界大戦以降は農薬被害や干ばつなどとも深く関係し、世界的にコットンの需要が拡大する一方で、この作物を取り巻く多くの問題が懸念されてきました。

MARKAWAREでは2018年以降、すべての製品にオーガニックもしくは、未認証ながら持続可能な方法で栽培されるコットンを使用しています。そのひとつ、ペルーの “ジャングルコットン”は、登山道ほどの細い道を抜けた先にある熱帯雨林で栽培されます。農薬を運ぶことすら困難なこの土地では、ニワトリが害虫を食べ、雨が水撒きの代わりをしてくれます。自然の循環の中で、背の高い木に綿花が実る珍しい光景からは、水やエネルギーの過剰な消費とは無縁の圧倒的な環境性能を感じることができます。

さらに私たちは、綿花栽培のサステナビリティを追求すべく、ペルーに自社農園を新設します。2023年には、ここで獲れたプレオーガニックのピマコットン製品をお届けできる予定です。

アルパカ

日本の富士山よりも高い、アンデス山脈の中腹。ペルー国内の標高4000mのエリアでは、極地対応ができるアルパカが人々と共に暮らしています。街から遠く離れ、高木が育たない森林限界のこの地域は、農業や畜産業には不向きのため、アルパカは無くてはならない生き物として、人々の生活を守ってきました。その共存の歴史は、数千年前にまで遡るとされています。

アルパカはアンデス山脈の雪解け水を飲んで育ち、ラクダ科特有の口の形状から、植物を根まで食い尽くすことはありません。足裏は大部分が肉球で覆われているため、土壌を傷めることもない、環境に優しい動物です。なによりその毛は、繊維が長く丈夫で、光沢に富んでいるため、長く使い続けられる洋服の原料となります。そして、天然繊維の中で最も色数が豊富と言われるアルパカの無染色の毛は、ふんわりと滑らかな風合いを保ち、贅沢な着心地を楽しめます。

私たちは、現地の生産者と直接取引をするアルパカも、環境負荷やフェアトレードなどの観点から、サステナブルな素材だと捉えています。

オーガニックウール

南アメリカ大陸の南緯40度付近を流れるコロラド川の南、乾燥した偏西風が強風となって吹き荒れる特殊な気候から“風の大地”と呼ばれるパタゴニア地方。緯度が高く、寒冷なこの地域では、野菜や牛を育てるには不向きで、羊の放牧が古くから人々の生活を支える糧となっています。また、ガウチョと呼ばれる牧夫が牧羊犬のボーダーコリーとともに羊を追う姿は、この地方の象徴的な風景ともなっています。

アンデス山脈を臨み、延々と大平原が続く広大な牧場では、羊1~2頭に対して東京ドーム1個分ほどの敷地があり、羊たちが食べる草が自生しています。この地域では、羊に寄生する害虫が生息できないため、近年動物愛護の観点から問題となっているミュールジングの必要がありません。

MARKAWAREでは、アニマルウェルフェアの「5つの自由」に基づいたオーガニックウールを洋服の原料に用いています。限りなく自然に近い理想的な環境で、完全放牧された羊の原毛は、さまざまな観点からサステナブルな素材だと考えます。

トレーサビリティ

2001年以降、marka・MARKAWEARは、メイド・イン・ジャパンをコンセプトに、日本各地のファクトリーとのコラボレーションで、真摯なモノづくりを行ってきました。

2000年代初頭といえば、日本のファッションが安価な海外生産へとシフトし、明治以降培われてきた国内の高い技術が軽視されていた時代。私たちはブランドの核となる、日本のモノづくりを支えたいという想いから、当時の商習慣では珍しかった「生産者をオープンにする」という取り組みを長く行ってきました。そして、MARKAWAREでは2014年から業界に先駆けて、原料選び・染色・縫製などの“トレーサビリティ”を明記した下げ札を製品に付けることで、より詳細にその透明性を示しています。

いわば、洋服そのものが辿った旅の記憶ともいえる、この下げ札には、工場の新たな仕事の獲得にもつながってほしいという、日本のモノづくりに対するサステナビリティへの願いも込められています。同時に、原料から環境と人権に配慮した製品開発を突き詰め、その情報開示も進めています。